「分包機用のヘラ」で薬を均等にならす

記事内には広告が含まれています。

分包機用のヘラ子ども用の粉薬など、一回量ごとに小さな袋に入った状態で薬剤師から渡されます。粉薬を一回量ずつに分けるためには分包機という機械を使います。この分包機には「自動で分包される円盤型分包機」「手動で粉をならしてまくタイプのVマスの分包機」があります。

円盤型分包機の場合は、分包機に量り取った散剤をそのまま入れれば一回量ごとに袋詰めされて出てくるのですが、Vマスの場合は自分たちで操作する必要があります。

Vマスの分包機には2枚の板で作られたV字型のマスと呼ばれる溝があり、そのマスに均等に散剤をならしてスタートボタンを押すとVマスが開き、下のカセットと呼ばれる仕切りの中に1回量ずつに分かれて落ちることで分包されます。

このため、Vマスに均等に散剤をならさないと1回量にばらつきが出てしまいます。散剤をならす時に使うのが「分包機用のヘラ」です。

分包機用ヘラの使い方

ヘラは両端に使用する部位があり、異なる4つの角度で散剤をならすことができるようになっています。分包機を購入すると通常2種類のヘラがついてくるのでまく散剤の量に合わせてヘラを選択して使います。

使い方は単純でVマスに散剤を入れた後、角度を合わせてVマスの端から端まで左右にヘラを動かして均等になるようにならすだけです。

この時にならす作業を長く続けすぎると散剤が潰れてしまうことがあります。コーティングされているドライシロップ剤などではコーティングが剥がれて苦味が出る原因となるので注意が必要です。理想的なヘラの使用方法はVマスを3~4往復させることで均等にならすことと言われています。

まく散剤の量が極端に多かったり少なかったりすると均等になりづらくなります。またならしやすさは剤形にも影響されます。細粒やドライシロップ剤などサラサラした粉薬は良いのですが、コロコロとした形状の顆粒剤ではヘラの角度を合わせるだけでは薬剤が転がってしまい不均等になってしまいます。

あえて少し大きめの角度にしたり少しヘラを浮かしてならすなどコツが必要となってきます。また顆粒が小さな粉剤ではならす時に力が入りすぎると密度に差が出てしまうこともあります。

薬局に配属された新人が一番つまづきやすいのがこの散剤の分包です。意外と散剤が均等にならないのです。コツは入れた散剤の量に合わせて適切なヘラの角度を選ぶことと分包機に対して真っ直ぐに向かい手首を曲げずにならすことなのですが、新人の頃はこれがわからないことが多くあります。

そのため薬剤師として就職すると重曹や乳糖などを使ってひたすら分包の練習をする事になります。

   

同じカテゴリー内の記事一覧

       
記事のタイトルとURLをコピーする