「半錠器」・「錠剤半錠器」で錠剤カット
処方箋の中には、錠剤を1錠ではなく半分とか、時には4分の1などにして渡すよう指示のあるものがあります。
このような場合に、錠剤を割る器具を「半錠器」、「錠剤半錠器」と呼びます。
錠剤に割線(かっせん)と呼ばれる先が入っている場合は、スパーテルと呼ばれる粉薬を量るときなどに使用するスプーンの膨らんだ側を使うことで手で割ることが可能ですが、割線がついていない場合は半錠器を使用します。
3つのタイプの半錠器
半錠器にも様々な種類がありますが、主に使われているのは次の3種類です。
1つ目は「半錠バサミ」と呼ばれるハサミ型のもので、ハサミのように錠剤を挟んで切るように割ります。2つ目は「半錠カッター」と呼ばれるもので、プラスチックでできた5㎝×3㎝くらいのケースのような形状をしており、片側が固定された蓋がついています。
中にPTPから出した錠剤を1錠ずつ入れ、上から蓋を閉じると蓋に小さな刃がついているので、錠剤を半分に割ることができます。3つ目は「ホッチキスのような形になっいる錠剤カッター」で、PTPの上から挟むことで錠剤を割ります。
錠剤のタイプで使い分け
なぜ3種類もあるのかというと、割る薬の大きさや形状、柔らかさによって使いやすい道具が違うからです。ホッチキス型のものはPTPの上から使用でき、錠剤を素手で触らないので衛生的にも良いのですが、柔らかい薬の場合だと力の加減ができないので粉々になってしまいます。一方でホッチキス型のものは硬い薬や表面が滑りやすい錠剤には適しています。
一番良く使用されるのが半錠カッターですが、楕円形のものや柔らかすぎる錠剤には適しません。プラスチックで作られた鋭角部分に錠剤を置くだけでしっかり固定はできないので、楕円形のものは安定せずきちんと真ん中で割ることができません。またホッチキス型のものほどではありませんが力の加減が難しく、柔らかすぎる錠剤は粉々になってしまいます。
楕円形の錠剤や柔らかい錠剤は、手でしっかり押さえることができて力の加減がしやすいハサミ型のものが向いています。しかしハサミ型のものは錠剤を手で抑えて使用するため、滑りやすい錠剤や小さい錠剤には向いていません。
通販で購入可能
半錠器はどれも一度購入すると長い間使用できますが、刃の部分を薬局で研ぐことができないため、切れ味が悪くなってきたら買い換える必要があります。
以前は製薬メーカーなどに頼むと半錠器を無料でくれましたが、今ではほとんどなくなりました。そのため現在では、医療用器具を取り扱う通販会社が出しているカタログを見て購入しています。
楽天ショッピングなどでも見つけることができるため、ご家庭で必要な場合に簡単に購入することができます。
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