「散薬分包機」は「Vマス」と「円盤」がメイン
粉薬を1回分ずつの個包装にしたり、錠剤の一包化をするための機械を「分包機」といいます。
錠剤の一包化を全自動で行う分包機もあるため、正式には「散薬分包機」という名前であり、通常分包機と言うと散薬分包機を指します。
分包機には大きく分けて2種類あります。
1つ目は「Vマス」と呼ばれるヘラで粉薬をならして撒くタイプの分包機で、2つ目は「円盤」と呼ばれる機械が自動で粉薬をならして撒くタイプの全自動分包機です。
Vマスの方は、2枚の金属製の板で作られたV字のマスが手前についています。
このV字のマスに可動式の仕切りがついており、仕切りは等間隔に並んだ0から45までの数字にそって動かすことができます。
使い方
まず作りたい包数分に仕切りを合わせ、専用ヘラを使って量り取った粉薬をならします。スタートボタンを押すとV字が開いて粉薬が下のカセットに落ちることで1回分ずつに分けられ、その後、漏斗状の部分を通って袋詰めされます。袋はビニール製や紙製で、ロール状になっています。袋に粉薬が1回分ずつ入れられると熱で封がされます。
全自動式の円盤の場合は、粉薬を入れると中で大きな金属製の皿のような円盤が回転し、円盤の上に均一に粉薬が落ちていきます。粉薬が全て落ちたところで1回分ずつすくいとられます。円盤が2つついているものと、一つだけのものの2種類がありますが、どちらも粉を袋詰めする部分は共通なので、円盤が2つついていても同時に分包することはできません。
Vマス、円盤ともに最近では袋に印字ができるものが主流になっています。印字ができるタイプのものは小さなパソコンが繋がっており、「患者の氏名」、「服用法」、「服用日」、「薬品名」など様々な情報を袋に印字することができます。
分包機では、錠剤の一包化を作ることもできます。錠剤の一包化は分包機の上部に格子状に仕切られたカセットがついているので、そのカセットに錠剤を一回分ずつ入れて作ります。カセットは下の部分がスライドして開きます。下に落ちた錠剤は散剤が通るのと同じ漏斗状の部分を通って袋詰めされます。
分包機はどちらのタイプも掃除機がついているので使用するたびに掃除機で吸って掃除をします。色のついた薬剤や次の人の薬に少しでも混ざってしまうと問題がある薬剤を分包した場合は、重曹や乳糖などを一度分包することで掃除をします。
また粉薬や錠剤が通る場所はVマス部分と円盤部分を除いてほとんど取り外すことができるので、使用頻度に応じて一定期間ごとに水洗いをしています。取り外しができないVマスや円盤部分は水拭きをします。
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