「過誤」にはインシデント(ヒヤリハット)とアクシデント
薬を渡す際に、何らかのミスが生じることを「過誤(かご)」または「調剤過誤」と言います。過誤には渡した薬の間違いだけではなく、入力の間違いも含まれます。
過誤にはインシデントとアクシデントの2種類があります。インシデントはヒヤリハットとも呼ばれ、間違えたものの患者の手に渡るまではいかず未然に防ぐことができたものを指します。
対してアクシデントは、患者の手に渡ってしまったものを指します。
最近では少し定義が変わってきており、患者の手に渡る前のものはヒヤリハット、患者の手に渡ったものの服用前に気付くなどして健康被害がなかったものをインシデント、健康被害が出てしまったものをアクシデントと呼ぶ薬局もあります。
どの薬局でも過誤が起きてしまった場合は過誤報告をし、共有することで再発防止に取り組みます。薬局では「この間の過誤はもう過誤報告出しましたか?」のような形で使います。
過誤を防ぐ方法は沢山ある
人間が行う作業なので、100%確実ということはどうしても難しいのですが、それでも過誤は避けなければなりません。このために「監査」は重要な作業になるのです。
調剤した人間と監査をする人間が異なれば、2人でチェックすることになります。また、患者に薬の説明を丁寧に行うことで、説明者が間違いに気づくこともあります。さらに疑義照会も積極的に行っていけば、さらに過誤のリスクは減ることでしょう。薬歴やお薬手帳をしっかりとチェックするだけでも、間違いは減ることでしょう。
このように、過誤を防ぐ方法は数多くあるのです。ただしどうしても手間がチェックする回数を増やせば増やすほど手間がかかってきてしまうので、その辺りをスムースに行えるようなシステムや人的確保ができると良いでしょう。
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