かかりつけ薬剤師制度新設について

   

なんといっても今回の改定の目玉は、「かかりつけ薬剤師」という制度の新設でしょう。

これには、現場で働く薬剤師としては、「非常にがっかりした」としか言いようがありません。私以外にも同じように思う薬剤師は数多くいることと思います。


●このページの目次


1.かかりつけ薬剤師の本来の姿とは

かかりつけ薬剤師制度新設について本来のかかりつけ薬剤師とは、地域に根差し、何年、何十年と日々付き合いを重ね、信頼関係を築いた上に成り立つものです。

昨日今日で、はいサインしてといってなれるものでは決してありません。24時間、365日、患者さんの家族構成を把握し、家庭の悩みに対し相談まで乗れる、そんな関係を築けて初めてかかりつけ薬剤師と言えるのではないでしょうか。

2.本当に今の制度でかかりつけ薬剤師と言えるのか

それを、初対面や、良く知りもしない患者さんに「これからかかりつけ薬剤師にならせていただきます」などと、良く言えたものです。

さらに、一度登録すると、次回からは同じ薬剤師が担当すると言ったものですが、患者さんに選ぶ権利はないのか?とさえ思います。それと同時に、薬剤師にもよく知りもしない患者さんを選ぶ権利はないのです。

せっかく、専門薬剤師と言う制度を確立しつつあるこの現状で、これとはまったく逆行の制度になっていることが残念でなりません。せっかく専門性を発揮できる薬剤師がいたとしても、かかりつけ薬剤師になってしまえば、その専門性は全くと言っていいほど発揮されないでしょう。

3.制度をしっかりと確立しないと問題が横行する

こんな意味のない制度ですから、ただ署名を貰って点数を算定する薬局や、患者さんからのストーカーまがいのご指名などと、目を覆いたくなることがばかりが横行するのです。

ましてや、「かかりつけ薬剤師」と月に100件(薬剤師あたり)を算定すれば、基本調剤料が増額などと、甚だおかしな制度としか言いようがありません。

信頼されて、信頼してこそのかかりつけ薬剤師でなければならないのに、それを件数の基準を決めるなどと言語道断です。

いったい、厚生労働省は何を考えているのか不審に思わざるを得ません。これで国民に信頼される薬剤師が作れるはずがありません。

それなら、違う病院の処方箋を持って来てくれた患者さんを、かかりつけ薬局と評価してきた以前の制度の方が良かったのでは?とさえ思います。

4.誰のための制度?薬剤師?それとも患者?

「今日は薬剤師の〇〇いないのか。じゃぁ、また明日来るよ」

このように言っていただけるような人間関係があって、初めてかかりつけ薬剤師であるはずなのに、「今週の木曜と土曜は非番ですのでおりません」などと、誰のための制度なのかさっぱりわかりません。

夜中、突然お腹が痛くなり、「市販の薬を飲みたいから、かかりつけ薬剤師に聞いてみよう!」と連絡してもらっても、その患者さんの飲んでいる薬から容態から経過から既往歴から薬剤服用歴から家族歴から、いったい薬剤師として何ができるのでしょうか?

その責任を、はたして薬剤師はおえるものなのでしょうか。

「かかりつけ薬剤師が薬を飲んでいいというから飲んだら病気になってしまいました」

と訴えられる日がもうすぐそこまで来ています。

5.仕事や責任は増えるが給料が変わらない

勤務薬剤師に、そこまでの責任を負わせるのにも関わらず、結局その利益が直接本人には反映されないので、勤務薬剤師には興味があまりありません。無駄な労力を費やしてまでやる気を出す薬剤師はいません。

やっても給料は変わらないのに、責任だけは増えるため、みな及び腰です。

そのようなこともあり、このような制度にも、調剤報酬自体にも、当然、政治にも興味はありません。

「かかりつけ薬剤師としてふさわしくありませんので辞退します。」と薬剤師が言える環境があれば、まだ救われるのかもしれませんね。

10年後、薬剤師と言う職業が無くなっていないよう切に願います。

       

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