薬剤師3年目の転職 4個のポイントと4つの注意点
薬剤師3年目の就職のタイミング
ただし、「ただ闇雲に転職してしまうと痛い目に合うことがある」ということです。そこで重要となってくるのが「転職のタイミング」です。このタイミングがバッチリ合うと、自分が望んだ以上の好条件の職場に転職することができたりします。
「転職に有利に働く薬剤師3年目のタイミング」を紹介したいと思います。
転職の成功確率を少しでも上げるなら3年は続けたい
どの職業でもよく言われるのが、「1つの会社に就職したら少なくとも3年は続けるように」ということです。結婚、出産、パートナーの転勤などの特別な理由がある場合は別ですが、そうでない場合は、あまりに短い期間での転職は、今後の就職においても不利に働くことがあります。
逆に言うと、「薬剤師として3年間勤務していたということは1つの実績となり、転職の際の武器となるのです」。
転職の際には履歴書を提示します。履歴書には職歴が記載されています。それを見て、あまりにも短い期間で転職をしていると、「この人はすぐに辞めてしまうかも」と疑われてしまいます。また、面接の際にも「なぜ前職を辞めたのですか?」と必ず質問されることでしょう。
実はこれは採用側にとっては非常に重要なことなのです。会社にとって人材は宝であり、人材育成に力を入れます。人材育成にはお金や労力がかかります。すぐ辞める人材や辞める可能性のある人材に、お金や労力をかけるわけにはいかないのです。
このようなこともあり、それなりに長く仕事を続けられそうな人材、つまり3年は前職で働いていた人材を採用したいと思うのです。
転職の時にアピールできる経験が欲しい
また、いくら薬剤師が手に職があるといっても、誰でも好きな職場に就職できるというわけではありません。就職してもすぐに辞めてしまわないか、年齢に見合った経験を積んでいるかという点は大きなポイントになります。
3年目で転職を考えるのであれば、転職した際に「自分を売り込めるような実績があったほうがよいでしょう」。
実績とは具体的には「管理薬剤師や薬局長の経験」になります。会社の方針でそのような職に就くことが見込めない場合ならともかく、大抵のチェーン展開している調剤薬局などであれば、3年目くらいで何かしらの上級職に就く機会があるものです。
たとえ短い期間であったとしても経験しておくのとしないのとでは、転職の際のアピール度合いが明らかに違うものです。
辞めやすい時期は「夏」
辞めようと決意したとしても、会社的には辞めさせてもらいにくい時期というものもあります。
基本的には「ボーナス後の夏」と、「年明け」に辞めていく人が多いのですが、「辞めていく人が多いからこそ3年目ともなると辞めにくい」という現状はあります。
就職して1年目、2年目の新人の場合、辞められても薬局にかかる負荷はあまり大きくはないため、比較的辞めやすいです。しかし、3年目ともなるとベテランの域に入ってくるので、上からの説得などが長引き、辞められないというのが現実です。
それでも繁忙期の冬場に比べれば、夏場は処方枚数も落ち着いているのでまだ辞めやすいかと思います。
さらに夏場に新しい職場に転職をすれば、忙しくなる冬場に向けて新しい仕事にも慣れやすく好都合と言えるかもしれません。転職の際の求人数も冬場に向けて増えてくるので、探す際にも困ることはないでしょう。
退社のタイミングは自分のタイミング
以上、客観的に見た3年目の就職のタイミングをまとめてみましたが、実際にはなかなかベストなタイミングと言うのはないものです。辞めるのも新しい職場に転職するのも、それなりの思い切りや労力が必要になってきます。
慣れ親しんだ会社の上司から辞職を考え直すよう説得もされるでしょうし、自分の中で今まで築いたものを捨ててまでして新しい環境に飛び込むべきか悩むかもしれません。そういう全てを振り切れるような思いの強さが自分の中で生まれたとき、それが一番のタイミングだと思います。
採用側に話を聞いてみた
採用する側の薬局経営者に話を聞いてみました。
正直な話、薬剤師の免許を持っていれば誰でも欲しいというのが現状のようです。ただし、欲を言えば、それなりの技術や経験を持ち合わせている薬剤師が採用できる方が良いとのことでした。
また、3年ほど働いてくれれば御の字であるという意見も聞かれました。
それほど転職が多い業界なので、転職されることには慣れているといった話でした。辞められるのは寂しいことなのですが、薬剤師の業界では仕方のない話でもあるとのことです。
ここで見方を変えてみます。
3年働いてくれれば御の字であるという採用側の意見があり、3年働いたことで薬剤師としての実績が積まれるわけでもあるので、「3年」という数字を1つのくくりにするのはアリだとも言えます。
カンチから一言!色々経験してみては
将来的にも薬剤師として仕事をし続ける意思があるのなら、職場を変えて色々経験をしてみることは良いことでしょう。
薬局も様々です。内科を多く扱っている所もあれば、眼科を多く扱っている所もあります。同じ薬局で勤め続けるのも1つの方法ですが、様々な科を扱っている薬局に転職し、スキルアップを狙うのは若い薬剤師の特権ともいえます。
年齢を重ねたり家庭を持ったりすると、なかなか転職をしようとは思えなくなるものです。新しいことにチャレンジしやすいのはやはり若いうちが良いと思うのです。
このようなこともあり、薬剤師になり3年目くらいに転職を強く意識するのは1つの手だと思いますし、実際に転職するのも将来を見据えた行動の1つだと思います。
薬剤師を3年目で辞めたいと考えた事例と対処法
教わる立場から本格的に教える立場に変わることで今までとは違ったトラブルに巻き込まれることも多くあります。
そのため、立場の変化により会社や仕事への見方が変わってきます。これにより、転職しなくなるかもしれませんし、逆に転職をする道を選ぶ人もいることでしょう。
3年目で辞めたいと思った体験談
多くの薬剤師が3年目の時に転職を考えます。実際に転職を考えた方の声を紹介します。
新卒で非常に忙しい小児科門前に配属された後、総合病院が院内処方から院外処方に切り替えるのに伴う新店立ち上げを経て、薬剤師7人、処方枚数1日250枚というそこそこの大きさの店舗に2番手として配属されたのが3年目の春でした。
その後、MR出身の中途マネージャーが薬局長を兼任する下で管理薬剤師としてその店の仕事をほとんど任されるようになるのですが、店舗のサブからトップになっていく中で辞めたいと思うことは沢山ありました。
3年目ともなると、知識や技術が身に付き、さらには薬局側からの信頼も高まってきます。そのため、昇進や異動の対象になることが多いようです。ただし、それが自分の満足のいくものでなかったりして不満を抱えることがあるようです。それならば、心機一転、新しい職場で活躍してみたいと思うようになるようです。
出世とともに思った道から外れていった
まずはとにかく役職がついていくごとに数字に追いかけられるようになり、薬剤師として患者さんと接したり直接薬に関わる仕事ができなくなっていく中で、自分が本当にしたかったことの意味を考え始めます。
上昇志向が強く、会社員として登りつめたい人なら悩むことはないと思いますが、私の場合はそうではなく、まだ薬の専門家としては未熟なのに、書類やレセプト、在庫数や月の売上など数字ばかりを追いかけて本部とのやりとりにばかり時間を取られていることにジレンマを抱えていました。それが本当にこの会社でこのまま続けていって良いのかという思いに段々変わっていきます。
また周りの上司や先輩を見て、自分の将来を描くうちに「このままでは続けられない・・・」という思いも強くなりました。
当時はまだ産休や育休を取る人も少なく、結婚後はパートや準社員になるか本部の仕事をするというのがスタンダードでした。しかも店舗によっては就業時間が長くなりやすく、休みも不定期な仕事のため、続けている人というのはみんな社内結婚した女性ばかりでした。
パートや準社員は時間も短く店舗移動もあまりない代わりに任される仕事も限られており、今より扱いもかなり悪かったように思います。仕事を取るのかプライベートを取るのか、同期の子達が様々な理由で辞めていく中で本気で考えるようになりました。
3年目だからこそ見えてくるものがある
3年目の辞めたいと思う理由は、それまでのものより深刻なものになっていきます。3年間仕事をしていると、いろいろ見えてきたり、自分が体験することがあります。
その中には、「転職」という2文字が頭をかすめるような出来事も何度か起こることもあります。些細なものから大きなものまで様々で、人によっても違うことでしょう。「通勤時間が長い」とか、「周りが辞めていった」というのも理由になるかもしれません。色々見えてきたために「将来の自分の姿」を想像できるようになり、不安や不満を抱えることもあります。
タイミングは大事!?
例えば、転職を考えている時期に、仕事面での待遇が良くなったり、プライベートで結婚したりすると、転職を保留にし、しばらく働き続ける人は多いです。
逆にそういったことがない場合には、かなり高い確率で本気で転職活動に取り組むようになります。
対処法は将来のビジョンを考えること
薬剤師3年目として、辞めるのか留まるのかと多くの方が悩まれると思うのですが、対処法としては「将来まで見据えた会社選び、業種選びを就職する際にする」ことでしょう。
ただし、正直これはとても難しいことだと思います。
薬剤師業界はどこも似たり寄ったりのため、何も経験していない新卒の状態で、将来を見据えることは非常に難しいと思います。
そのため、働き始めて3年間の内で、少しずつでも将来どのような薬剤師として活躍していきたいのか、そのためにはどういった場所で働いていたほうが良いのかと言うのを、考えて行けると良いと思います。
それを考えているのか、考えていないのかだけでも、3年目を迎えたときに差が出てきます。
3年目は多くの薬剤師が転職に悩みます。珍しいことではありません。あまり思いつめると日常の業務に響いたり、精神的にもまいってしまうこともあるかもしれません。少しずつ、3年かけてじっくり考えていけば良いのです。
薬剤師3年目の転職のメリット・デメリット
3年目の転職のメリット
3年目というのは仕事のことや会社のことが分かってきて、今までと同じように仕事をしていて良いものか悩む時期でもあります。つまり薬剤師という仕事はするけれど、違う業種への就職を考える時期になります。調剤薬局から病院や治験関係の仕事へ、もしくは逆のパターンもあるでしょう。
ドラッグストア、調剤薬局への転職は年齢的な縛りはほとんどありませんが、病院や治験関係の仕事というものは遅くとも30歳くらいまでという制限が付く場合が多く見受けられます。中には後発品会社の事務職や健康食品メーカーなどという就職先に行く人もいますが、こちらも早めのほうが良いでしょう。
今の仕事に疑問を感じて転職をするのであれば、3年目は他の業種を選ぶには良い時期と言えます。年齢が上がるほど他業種への転職は難しくなるので、できるだけ早めに決意したほうが良いでしょう。
同じ業種に転職する場合であっても、3年目というのは良い時期です。1、2年目の中途採用者と違って仕事はほとんどこなせるわけですからその分、会社側にとっても欲しい人材になります。
これが役職を何年も経験したベテランになってくると、収入面でいろいろ考慮しなくてはいけなかったり、家族もいるでしょうから通勤範囲や転勤の有無など会社側につきつけられる条件が多くなってきます。身軽で仕事もできる3年目は採用されやすいので転職にはうってつけと言えます。
3年目の転職のデメリット
3年目に入ると何かしらの役職に就く場合が多くなります。もちろん、役職につけばそれなりに手当てがつきます。薬剤師という職業は基本給が低く、薬剤師手当てや他の役職による手当てで給料が上がっていく職業です。そのため、転職をしてしまうとどうしても最初は給料が低くなります。3年目というのは役職に就いている場合でもまだ日が浅く、転職先で役職に就くのには時間がかかってしまいます。つまり給料が上がるのに時間がかかるわけです。
さらにメリットの点で3年目は身軽で仕事もできると書きましたが、身軽で会社側にとっては使いやすい存在です。しっかり考えて転職先を選ばないと会社に使われてしまうことになります。よく見かけるのが3年目辺りで転職してきた人が役職ももらえないままあちらこちらの店舗の応援要員にばかり使われていつまで経っても昇進させてもらえなかったり、入ってすぐに地方に飛ばされて地方の併設店で管理薬剤師を任されるといったケースです。そのような扱いを受けてすぐに辞めてしまう人も実際にいます。
転職するなら3年目はちょうど良い時期
3年目というのは転職をする側にもとっても、採用する会社側にとっても手頃な時期です。
初めての転職であまり良くわからないまま流されてしまうとこれから先の薬剤師人生に大きく関わってきてしまいます。ここで失敗した人は転職の簡単さだけを覚えてコロコロ転職を繰り返し、ある程度の年齢がいった時にはもうどこも採ってくれない、もしくは条件ばかりが大きくなりすぎて転職先がない、ということになりかねません。
大事な時期ですので、自分のこと仕事のこと、よく考えて選ぶことが大切です。
薬剤師3年目の悩みランキング
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第1位 薬学部が4年生だった頃の3年目の悩み
薬学部が4年制だった頃は薬剤師3年目というと、仕事についての悩みが主だったように思います。
- このままこの会社で続けていくのか
- このまま調剤のみで生きていくのか
といったようなものです。
そのため、転職する人が多いのもやはりこの頃でした。「調剤では思うような薬剤師らしい仕事ができないと言って病院に行く人」、「今の会社のやり方が気に入らないと言って他の調剤の会社に行く人」。「自分の立場に不満を抱え、次を模索する人」という人が多かったように思います。
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薬剤師3年目は人生の岐路と被る
今の3年目の薬剤師と話をすると、以前とは悩みが様変わりしているように感じます。一番の原因は「薬学部が6年制になったこと」です。ストレートで卒業しても卒業時に24歳、3年目には27歳になろうかとしています。さらに薬剤師は意外とストレートでなる人は少ないことが多いのです。
浪人、留年、国家試験不合格など様々な理由で1~2年位は回り道をしている人が数多くいます。そのため、仕事が軌道に乗ってきた3年目には30歳を意識する年齢になっていることが現在では多くあります。また元々女性が多い職場です。30前後ともなると、結婚する人も多くなってきます。まさしく人生の岐路に立つわけです。
そのような状況の3年目の薬剤師には、仕事とこれからの自分の人生設計を悩んでいる人が多くいます。実際に、他の会社の薬剤師から「そっちの会社は結婚や出産をしても続けられそう?」と尋ねられたり、「どの会社なら育児しながらでも多少の融通が効くのかな?」などと聞かれることもあるくらいです。
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プライベートの時間を確保しづらい
今の3年目の薬剤師の悩みで多いのは「プライベートな時間を確保しづらい」と言ったことも挙げられます。それにより出会いの機会が少なくなってしまっています。
他の職業でも同じだとは思うのですが、就職してしまうとなかなか出会いというものがないものです。しかも、薬局というのは門前の医療機関に営業時間を合わせているため、終わる時間が遅かったり、土曜日、中には日曜日も仕事という薬剤師は少なくありません。
つまり、他の職業の人と休みがズレてしまうことが多いので、出会いのチャンスが少ないのです。
大抵の場合、お互いにプライベートの時間が不規則な同業の薬剤師であり、平日の遅い時間から会うのが当たり前でした。
私が転職をした大きな原因の1つは、結婚です。結婚相手が土日休みの会社員でした。休みが合わないというのは大きな問題となると考え、土日休みの薬局へ転職しました。
他の業種の人と休みが合わない環境のため、薬剤師の場合、社内恋愛や社内結婚が多くなります。しかし、店舗移動などがなければ基本的にメンバーは変わりませんし、社内でも出会いの環境があるというわけではありません。なので特定の相手がいない薬剤師はこの出会いの少なさを嘆いている人が多くいます。
ただし、土・日・祝日を完全に休みにしている薬局も数多くあります。そのため、薬剤師として3年働き、そろそろ転職しようと思っている人の多くは、そういった薬局を転職先として選ぶことが多いです。
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第4位 転職時期が早まっている!?
6年制になった今の薬剤師の人達は、仕事が軌道に乗り始めた時期に自分の人生設計についても考えなくてはならないので、難しいなと思います。薬学部が4年生の時でさえ、会社や仕事について焦りや不安、ジレンマを抱え始めた時期だったのに、それにプラスして自分の年齢も含めた問題が起きているのは本当に難しいと思います。
そのためか、以前は3年目以降に多かった最初の転職時期が、今は1年目、2年目といった比較的早い時期にずれているように感じます。将来の事を考えて、会社や仕事に見切りをつける時期が早まっているのかもしれません。
薬剤師3年目の転職求人の探し方+4つの心得
会社に残るにせよ転職するにせよ、しっかりと考えて行動しないと、結果として後悔の残るものになってしまいます。
ここでは、薬剤師として働き始めて3年目の方が転職をする際のアドバイスを紹介しています。
はじめに 3年目の薬剤師は周りが見えてくる
薬剤師の転職が一番多い時期、それは就職して3~5年目ではないでしょうか。
早い人では3年目辺りで管理薬剤師や薬局長といった仕事を任され、会社のことや業界のことも少しずつわかってきます。その中で、キャリアアップや人生設計を考える時期に差し掛かってくるからです。
3~4年目辺りで、管理薬剤師を任されることもあります。責任がある仕事で気合も入ってくるわけですが、特に女性の場合は、結婚・出産を含めた人生設計とキャリアプランも考え始めてくるものです。
それらの事を総合的に判断した結果、管理薬剤師として責任のある立場だけど、結婚や出産をすることになると、今の調剤薬局では続けられないと感じることもあります。それにより、転職を考える人もいます。ただ、いろいろ考えて転職したつもりが、結果として中途半端な転職になってしまうことがあります。
転職は何度もすることはありません。しかし、転職をするたびに気づくことがあります。初めから気付いていれば転職を何度もする必要はなくなります。
このようなこともあり、3年目からの転職で失敗しないための心得を4つにまとめてみます。
「心得その1」 転職サイトを上手く利用する
薬剤師の転職に転職サイトは欠かせません。転職する際には非常に便利なので、上手く利用した方が良いでしょう。
薬剤師側は無料で利用できる上、自分の希望に沿った就職先を選んで紹介してくれます。特に求人が少ない病院などに転職を考えている場合は必須になってくるでしょう。
素早く新しい転職先を見つけてくれる転職サイト
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当サイトではこれらの3つの転職サイトをおススメしていますが、このような転職サイトを利用する上で気をつけなければならないこともあります。それは、「確かな転職サイトを選択する」ということです。
実際にある会社に就職した際、周りの薬剤師に転職当時の話を聞いてみたところ、そのほとんどが同じ転職サイトを使って転職してきていました。
つまり、数多くある転職サイトの中でも良く利用されている所とそうでないところがあるということです。
良く利用されている所は、業界内でも有名で確かな実績がある所です。実績とは転職を支援して成功させているということです。そのため、まずは業界でも有名な実績のある転職サイトを利用することが、転職を成功させる重要なポイントと言えます。
そして、転職を成功させるためには、複数の転職サイトを利用して比較検討してみることが重要です。1つのサイトに頼ってしまうと、特に初めての転職の場合はコンサルタントの言うことを鵜呑みにしてしまい、自分の意見がぶれてくることがあります。
このようなことからも、様々な意見を聞いた方が判断材料が増え、結果として良い転職に結び付く可能性が高いのです。
このようなことからも、転職サイトは複数利用した方が良いでしょう。ただし、あまり数多く利用してしまうと、今度は情報が多すぎて絞り込みしきれなくなってしまいます。そのため3つほどの登録が丁度良いでしょう。
「心得その2」 転職理由を明確にする
転職と就職は全く別のものです。
新卒の時は就職の動機は誰でも曖昧なものです。薬剤師として患者さんの役に立ちたい、MRとしてたくさんお金を稼ぎたい、新卒ならそんな理由で許されます。しかし、会社や社会のことも分かってきた3年目以降の転職は勝手が違います。
もっと明確な意図があって転職を決めるようになってきます。
- 「月収・年収はいくら以上欲しい」
- 「調剤併設店に行きたい・行きたくない」
- 「何年後にどんな役職に就きたいもしくは就きたくない」
- 「土日休みがほしい」
- 「通勤時間はどれくらいで転勤はしても良いのかしたくないのか」
そのような具体的な条件を明確にし、コンサルタントに伝える必要があります。その辺りが上手くいかないと、「転職だけで結局新しい職場でも不満を抱える」と言った感じになってしまいます。これは案外良くある話です。
例えば女性の薬剤師に実際にあった話です。
自分の希望を具体化するために、転職サイトのコンサルタントにはかなりお世話になった感があります。転職を決意して探す時点でもっとしっかり明確なプランが立てられていたらもう少し違う結果になっていたかもしれません。
この方の反省点としては、「明確なプランを立ててなかった」ということです。
しかし、明確なプランを立てるといってもなかなか難しいものです。そういったときには逆に考えてみましょう。
転職を思い立つということはその原因となるものがあったはずです。その要因となるものを除外していくのです。
人間関係に問題があったら「人間関係の良いところ」を希望します。低給与で不満だった場合には「高給与」を希望します。残業の多さに不満があるなら「残業が少ない・ない」を希望します。
このような具合で考えていくと思いのほか、次の職場に求める条件は思い浮かんでくるものです。条件は1つでなくいくつも挙げても問題ありません。ただし優先順位はつけておいたほうが良いでしょう。
「心得その3」 条件に優先順位をつける
具体的な条件というものは考え始めるとキリがないものです。そして全ての条件がそろう会社というものはなかなか無いものです。
特に調剤薬局、ドラッグストア、病院といった勤め先は企業としてはあまり大きくない場合が多く、大企業並みの福利厚生や就業条件は難しい場合が多くあります。
転職をスムーズに決めるためには、自分の希望に優先順位をつけることが重要になってきます。何が一番重要で何は妥協してもよいのか、妥協してもよいものはどこまで妥協できるのか。
このような声をいただきました。自分の中で正しく優先順位をつけることは、次に就職した職場で長く働くことにもつながります。良い条件の方だけ見て妥協点をきちんと考えておかないと、妥協したところが原因で後々不満を抱えたり、辞めることになってしまいます。
「心得その4」 自分の職歴をまとめておく
転職する際には経歴の他、職歴というものが必要になってきます。そしてこの職歴こそが転職先に自分を売り込むキーとなってきます。
薬剤師の場合、先方に伝える職歴としては管理薬剤師や薬局長、マネージャーといった職位にいつ就いたかに加え、何科の門前で処方枚数がどのくらいのところで何年くらいいたかということまで含まれます。
基本的な情報については転職サイトに登録した際に確認をされるのですが、面接に備えて自分の中できちんと確認をしておいたほうが良いでしょう。
中途採用の面接では新卒の時のようなぼんやりした内容については聞かれません。社会人として、薬剤師としてどこで何をしてきたか、それが即戦力としてどこまで使えそうか、そういったことが確認されます。
そのため、何科、処方枚数の他、一緒に働いていた薬剤師の人数、営業時間、その薬局での自分のポスト、レセプトなどの事務作業にどこまで関わっていたか、在宅医療には携わっていたかなどを新卒の頃までさかのぼって見直しておきましょう。自分ができること、できないことを知って、面接の時にきちんとアピールすることが重要です。
カンチから一言!就職と転職は別物
大切なことは、新卒での就職と中途での転職は全く別のものだということです。初めのうちは薬剤師として働くのには、何が重要なのか分からないことも多いでしょう。働いているうちに段々自分がどういった薬剤師になりたいのかという考えがまとまってくると思います。
自分が納得のできる転職をするためには、自分のことをよく知ることが重要です。自分はなぜ転職しようと思って、次の職場には何を求めるのか。薬剤師として何ができて何をしていきたいのか。
全てを明確かつ具体的にして転職に望むことが3年目の転職を成功させる第一歩です。