30代後半の薬剤師の転職体験 条件にこだわり転職まで時間がかかった

記事内には広告が含まれています。
ここでは2名の薬剤師の転職体験を紹介しています。

まずはじめに37歳の時に転職をした女性の薬剤師にインタビューを行いました。

彼女は、お子さんを2人育てながらの転職となったため、転職条件を厳しくせざるをえませんでした。数多くの転職サイトに登録をし、時間はかかりましたが、ある程度、希望通りの条件で転職することができました。

家族の事を考え転職を決意

私は、2人目の子供の時短勤務期間が切れた37歳の時に転職しました。

時短勤務期間が終了した時、会社からは自宅に近い併設店の勤務を勧められました。併設店にしては珍しく「19時閉店」、「日曜休み」と比較的条件も良かったので、最初の数ヶ月は勧められるがままにその併設店で働いていました。

しかし併設店に移動して数ヵ月後、子供が2人揃って水疱瘡にかかってしまったのです。水疱瘡は登園許可が必要で、症状自体が引いても1週間近く休む必要がありました。その時、所属薬剤師の人数が私を含めて2人だったので、他店舗から応援をもらったり、それでも難しい時は、主人に会社を休んでもらって私が出勤せざるえませんでした。

子供の水疱瘡をきっかけに、子供を育てる以上、同じようなことが起こり得ると考え、このまま働くのは無理だと思い、転職を決意しました。

条件が厳しくなかなか転職先が決まらなかった

転職はかなり難しいものとなりました。

子供がいるため、自宅近くで薬剤師数も多いそれなりの規模の薬局、勤務時間もあまり長くなければなりません。さらに当時私は薬局長を勤めており、その時の収入から大幅に下がってしまうと家計に響くため、ある程度の収入は確保しておきたかったのです。

大手はもちろん、小さな転職サイトもいくつか登録しました。中には「その条件では働くところを見つけるのは難しい」と最初から言われてしまうこともありました。途中でパートにしたほうが良いのではないかなどという考えも浮かびましたが、家のローンのことも考えると収入がネックになってきます。

半年以上経って転職先が決まった

やっと転職先が決まったのは、探し始めて半年以上経ってからのことでした。

転職先は中規模の病院の門前で、個人で開いている薬局です。自宅からは当初考えていた距離よりも遠くはなりましたが、自家用車での通勤が可能なところなのでそこまで問題ではありません。

個人薬局なので最初の収入はそこそこ良いのですが、今後の昇給はあまり見込めそうにありません。しかし病院に合わせて「18時閉店」、「土日祝は休み」と子供がいる私にとってはこれ以上ない条件です。

初めの話と少し違うが理解のある職場で良かった

転職後、在宅の患者さん宅訪問や、在宅の薬を作るために毎日1時間ほどの残業があったり、土曜出勤が月に1~2回位あるなど、少し面接時の話と違うところはありますが、問題があるほどではありません。なにより薬剤師の人数も5人とそれなりに多く、みんな家庭持ちのため、子供の行事や病気にもとても理解があるので助かります。

大手のチェーン店で働いていた以前は、子供が大きくなったら昇進もしたいと考えていたのですが、家庭のことを考えるとこういった働き方はありなのかもしれないなと思います。

2人目の転職体験者の声

2人目の転職体験者の声を紹介します。スキルアップのため病院薬剤師として働き始めたのですが、あまりの激務のため3年で転職を考えます。

その時転職サイトを利用したそうですが、業務後に連絡を取り合うことができ非常に助かったそうです。

結果としてゆとりをもって働ける職場に転職できました。

子どものころ薬剤師に憧れ薬学部に進学

元々幼いころ病気がちであり、親に連れられて病院に通うことが多かったです。自分が子供の頃に医薬分業が全国に広まり始めていたことから、病院で発行された処方箋を持参して、近くにある調剤薬局に行っていました。調剤薬局の薬剤師さんの様子を見るととても忙しそうでしたが、処方された薬についてとても丁寧に説明してくれました。薬の飲み方はもちろんですが、飲み合わせの悪い薬などの情報も優しく教えてくれました。

またお医者さんには聞きづらいようなことも、嫌な顔をせず分かりやすく答えてくれたので非常に助かりました。そして何回も薬局に通っているうちに、将来は薬剤師として働いてみたいと考えるようになりました。いろいろ調べていくと薬剤師の就職先は調剤薬局に限らず、病院や製薬企業など選択肢が広いことが分かりました。そして特に調剤薬局や病院の薬剤師は常に人手を欲しがっているところが多く、就職には困らないということも薬剤師を目指すきっかけとなりました。

薬剤師になるためには大学の薬学部に入学して、所定の単位を修めて卒業する必要があります。それで初めて薬剤師の国家試験の受験資格が得られるのです。つまり薬剤師になるためには薬学部に入学すること、無事に卒業すること、国家試験に合格することの3つのステップを踏まなくてはなりません。

今でこそ薬学部の数は増えていますが、それまでは薬学部の数は限られていて倍率は非常に高かったのです。大学によっては10倍以上するところもありました。

何とか大学入試をクリアし、大学では友達にも恵まれて無事単位を取得し、留年することなく無事に卒業できました。そして薬剤師の国家試験も、仲間と一緒に勉強したおかげで一発で合格することができました。国家試験に合格後、事務的な手続きを済ませて無事に薬剤師の国家資格を取ることができました。

スキルアップのため病院に就職しようと考えた

ところで就職先を決めるにあたり、どこで働こうかとても悩んだのですが、まずは病院薬剤師として働こうと考えました。何故ならば病院には色々な診療科があるので、扱う薬剤の種類が多くとても勉強になると考えたからです。また注射や栄養のことなども幅広く学ぶことができるので、薬剤師としてスキルアップをはかるためには、まず病院で働いた方が良いと考えました。

求人情報は大学の就職課や掲示板を色々とチェックしていました。病院薬剤師はハードだと聞いたのでなるべく通勤時間を減らしたいと考え、自宅から自転車で通える範囲の病院を見つけてそこに応募しました。そこで見つけたのが病床数が80程度の比較的小規模ですが、内科や整形外科、外科や泌尿器科などの診療がある病院でした。

応募に当たりまずは病院見学を行いました。病院の説明によると病棟を移転したばかりの新しい病院で、それをきっかけに電子カルテに移行したとのことでした。電子カルテならば検査値や看護記録等もチェックできるので、患者の状態をチェックしやすいメリットがあります。院内処方箋も手書きではなくオーダーリングシステムなので、薬局にデータが送られてくるため調剤もスムーズに行うことができます。

また薬局の人たちも穏やかな雰囲気であり、しかも夜勤業務がないというのでここで働こうと決めました。面接はそれほど厳しい質問はほとんどなく、どちらかといえば大学で勉強したことや、どんなことをやりたいかといった話題が中心で終始和やかに進みました。数日後内定の連絡を頂き、薬学部卒業後にその病院へ就職することが決まりました。

病院薬剤師として働き始めた

いよいよ病院薬剤師としてデビューすることになりましたが、初めは調剤室の中で調剤業務を中心に行いました。薬局の調剤室には内服薬や外用剤や注射剤をおいてある棚がありますが、まずはどこに何があるのかを覚えることから始まりました。もちろん薬の名前と効能がまだ一致しないので、それも合せて覚えなければなりません。初めのうちは、色々と覚えることが多くてとても大変でした。

病院なので次々と入院患者が入ってきますが、高齢者が多くためか持参薬がたくさんあります。それを1つ1つ鑑別する作業があり、その情報を電子カルテに入力して医師に処方のオーダーを出してもらう仕事がありました。

夕方になって緊急に入院する患者も少なくなく、持参薬の鑑別作業で残業することも多かったのです。また定期的に薬を飲んでいる患者に対しては、週に1度定期処方を出してもらい、それをもとに調剤業務を行います。約50~60人分の薬を一度に調剤するため、間違いがないように非常に気を遣いました。この仕事が思いのほか大変で、朝から晩までずっと調剤や監査業務を続けることになるのです。

このような定例業務もたくさんある中で、更に委員会業務も行うようになります。委員会業務とは感染委員会や褥瘡委員会やリスクマネージメント委員会など、専門性を十分に活用するため薬剤業務にとどまらない活動を行うことです。これは薬局だけではなく、医師や看護師や栄養士などとチームになって様々な活動を行っていきます。非常に勉強にはなりますが、人手が不足している中での活動なので、業務に対する負担は大きくなりました。

病院薬剤師はハードとは聞いていましたが、やることが思っている以上に多く残業時間も増えていきました。夜勤はないのですが、平日と土曜日の午前中が勤務時間となっていたので、拘束時間が非常に多かったです。土曜日も午後まで勤務することもあり、実質的な休日は日曜日と祝日だけとなりつつありました。

あまりの激務に3年で転職を考える

しかも今はどこの病院も経営が苦しくなるべく人件費を抑えたい傾向にあります。その中で上層部から残業を減らせ、という圧力が度々かかるようになってきました。なるべく早く帰る努力はしていましたが、人手が少なく業務量も減らない環境で、これ以上働くことに苦痛を感じるようになりました。

また休日も少なく、プライベートを充実させることができずにいたことも不満でした。勉強になることがとても多く刺激はありましたが、もう少し休日を充実させたいという考えが強くなったので、3年間務めた病院を退職することにしました。

転職サイトを使うことで転職活動が楽になった

業務が忙しかったため転職活動をする時間があまりなかったのですが、最近は薬剤師に特化した転職サイトが充実していたのでそれを活用しました。転職サイトも色々あったのですが、取り扱い求人数が業界最大級といわれる某大手のサイトに登録しました。

サイトの登録は10分もしないで終えることができ、登録翌日には早速コンサルタントから電話があり、希望条件について詳しいヒアリングを行いました。日中連絡を取り合うことが難しかったのですが、業務が終わった夜間にコンタクトが取れたため非常に助かりました。

今回重要視したことは残業を減らし休日を充実させるためであったので、病院よりも調剤薬局で働くことに決めました。完全週休2日で残業も月20時間以内であり、2連休が取りやすいところを中心に選びました。コンサルタントはこちらの話をしっかり聞いてくださり、希望に近い求人案件を紹介してくれました。履歴書の書き方や面接対策も教えてくれ、それをもとに面接に臨み無事に内定を取ることができました。

内定が取れた後は、病院に退職を切り出すという仕事が待っていました。やはり最初は難色を示されましたが、何回か話し合って退職が認められました。但し引き延ばしがあったので、予定していた時期よりも3カ月程度退職がずれました。そのため転職先にも連絡をして、入職期間をずらしてもらうことにしました。

転職し仕事量が減り落ち着いて働けるようになった

現在は調剤薬局で働いていますが仕事の負担が減ったので、以前よりは落ち着いた気持ちで働くことができています。また病院で培った知識も役に立っているので、新しい職場に馴染むのにそれほど時間はかかりませんでした。しばらくは今の調剤薬局で頑張ってみようと考えています。

       
記事のタイトルとURLをコピーする