「薬包紙」の使用頻度は減ってきた
10cm四方ほどの大きさの光沢のある薄い紙を「薬包紙」と呼びます。元々は名前の通り粉薬を包んで患者に渡すための紙でしたが、分包機が普及した現在ではそのような渡し方をする薬局はほとんどなくなりました。
本来は中の粉薬が外に漏れてしまわないように五角形に折って使用するのですが、今では薬剤師といえども若い人は折り方すら知らない人が多くいます。
現在では主に軟膏を量りとる際に使用されます。片側の表面に光沢があるため油分の多い軟膏でもしみにくく、ヘラで移し替えた時にも破れにくいためよく使われています。
また非常に少量の薬剤を量りとる際に使用されることもあります。そのような時は理科の実験で使用したように両端を合わせて三角形に2度折り、中の薬剤がこぼれないようにしてから使用します。
色は白色、赤色、青色と分かれており、日本薬剤師会の調剤指針では白色は内服用散剤用、赤色は外用剤用、青色は頓服用と言ったように色によって使い分けることが求められています。
薬包紙にも色々な種類がありますが、90mm×90mmの大きさほどの薬包紙は1000枚入りで300円~500円程度で購入することができます。ただし高価なものになってくると、500枚入りで5000円ほどするものもあります。
薬包紙の折り方
現在の薬包紙事情
現在、現場で薬包紙が使われることはほぼありません。そのため、薬科大学時代に折り方を習った程度と言う人も少なくはありません。
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